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REPORT

Produce Next Report

~ベンチャー企業の成長ステージについて~

マネージャー 須藤 陽平

~第2回 ミドル期のベンチャー企業~
前回のProduce Next Reportではシード期について取り上げ、「事業計画の策定」及び「チームビルディング」について執筆した。今回は「ミドル期」前後で達成したいPMFについて記載する。(第3回は「レイター期」についてお届け予定)

ミドル期及びPMF


ミドル期は、ある程度プロダクトが充実し、赤字を解消しつつある段階。今後ビジネスを拡大できるかは、顧客に受け入れられる製品を作れるか否かにかかっている。このように、自社のプロダクトやサービスがマーケットに適合している状態をPMF(Product Market Fit)と呼ぶ。本記事では、事業モデルやアイデアの磨きこみは一定程度できていることを前提に、具体的にPMFを達成するプロセスを以下で説明する。


MVP(Minimum Viable Product)とは


「実用上最小限の製品」を意味し、機能が最小限に絞られていてユーザーが感動し、競合にない価値提案を実際に試せる製品であることが重要。間違えてはいけないのは、無料の試作品はプロトタイプであってMVPではないということ。無料で提供すると「ユーザーは製品にお金を払うだけの価値を感じるのか」というPMF達成のために必要な検証ができない。お金を払ったユーザーは積極的に感想(時にはクレーム)を言いたくなる。多くは耳が痛いフィードバックとなる可能性があるが、そういったフィードバックこそが貴重な学習機会となる。つまりMVPは最小限の投資で顧客に関する情報を最大限収集することを目的としているのである。


スプリント


MVPを作るときは事前に必ず「そのMVPを投入することによってどんなことを学びたいのか?」ということを明確にする必要がある。MVPごとの「学習目標」を明確にして、ユーザーの反応を見て学習するという1回のサイクルのことを「スプリント」と言う。

MVPは学習のための製品であるにも関わらず、本格的にものづくりが始まると「もう少しMVPを改良したい」とMVPの作り込みをしようとしてしまう。それでは学習速度が落ちてしまうため、MVPを作り込むよりも、検証作業やユーザーの生の声を集めることに時間を使ったほうが良い。スプリントが一回終わり、そこで得た学びを踏まえて2回目、3回目のスプリントを回し、学びを蓄積していくのがPMF達成の最速の道と言える。


ピポットとは


DXスプリントを繰り返し、機能改善やUX改善をしたものの、PMF達成が困難な場合もある。そういった際は、ピボット(大幅な軌道修正)をしてやり直す必要があるかもしれない。MVPを通して学習した結果としてピボットが最善であると判断したなら、ためらわず実行に移し、PMF達成を目指すことが重要。

ピボットの種類は以下の通りいくつかあるが、どこから軌道修正するかは残りの資金も踏まえて検討したい。当然、大掛かりな修正ほど資金が必要だ。

●顧客の変更

「誰の課題を解決するのか」から見直すため、大規模な軌道修正となる。

●課題の変更

顧客は同じで「どんな課題を解決するのか」を変える。

●事業構造の変更

扱う課題は同じでBtoCからBtoBへ変更するようなケース

●チャネル・ピボット

販売・流通チャネルの変更。売り方を変えるだけなので手戻りは比較的少ない

ユニットエコノミクスの黒字化


ユニットエコノミクスは、ある製品を使っているユーザーから得られるLTV(生涯利益、ライフタイム・バリュー)から、顧客を獲得するためにかかったコスト(CPA)を引いて計算される。LTVを増やすにはユーザーに長期間もしくは高頻度で利用してもらい、利用料などを多く支払ってもらう必要がある。ユニットエコノミクスを黒字化するにも、PMFを達成していることが大きく役立つ。CPAは製品を使い始めたユーザーが長く定着すれば、広告費は抑えられる。つまりCPAの低減にも、製品が魅力的であること、PMFを達成していることが不可欠なのだ。


PMF達成のためには、ある程度の方法論が存在する。関連書籍も多く出回っており、自分で勉強することも可能だ。しかし、経営者はとても忙しく、日々のオペレーションを回す事に一生懸命で勉強する時間など取れないという人も多いだろう。その為、外部のアドバイザーやコンサルタントに相談することは大変有益だ。弊社でもPMF達成に向けた支援を積極的に行っている為、気軽にご相談いただければ幸いである。